演劇の謎。
自作戯曲の演出にも手をそめた著者が「オイディプス王」、説教「をぐり」、「ハムレット」からカントールに至る古今東西の演劇を逍遙しながら、<<軌道から外れ、軌道に復したときには予想しなかったものをまとってくる>>演劇の諸相を軽やかに考察する。 (帯)
少しずつ読み進めていたものの、中盤から終盤にかけてすっかり集中力を失い、しばらく放置していた本書であるが、えいやっと残りわずかのページを一息に読み通し、ようやく読了。ものすごい疲労感。収録内容は以下のとおり。
::イプセンとチェホフ
::オニール、ミラー、ウィリアムズ
::カフカ、ドストエフスキー、「リア王」
::アリョーシン「恋愛論」
::横浜ボート・シアター「小栗判官・照手姫」
::カントール「死の教室」
::小栗判官伝説と「浅茅が宿」
::蜷川幸雄演出「オイディプス王」
::ヴィゴツキーの「ハムレット」論
::パロディとしての「ハムレット」
::「ペリクリーズ」
::「ハムレット」1~9
その他、松本和也氏によるあとがき、近藤耕人氏と青木健氏が執筆した別冊附録も挟み込まれている。「演劇」という芸術形態を透過させた向こう側にある「小説」についての考察には興味深い部分もあるのだが、そもそも僕は演劇について造詣が深くないし、小島信夫の戯曲「一寸さきは闇」を読んでから、やはり「小説家」小島信夫以外への興味を失ってしまっているようである。