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[挽歌] 小島信夫読本の完成を待っている君たちへ

「小島信夫批評集成」を全巻予約した猛者のみに進呈される特典「小島信夫読本」の制作は、その後いったいどうなっているのか。進捗について水声社から公式にアナウンスされたのは、2011年9月13日付のブログエントリが最後である。「すでにお申込みいただいたみなさまにはかならずお届けいたしますので、いましばらくご猶予をお願いいたします」とのことだが、それから5ヶ月を経過した。この沈黙は何だろう。不気味である。よもや「なかったこと」になっているわけではないだろうが、もっとも当初から発送時期は2011年5月以降と告知されていたわけで、つまり「以降」ということは、2012年5月であっても、2051年5月であっても、とりあえず正当ではある。ここまでスケジュールが遅れていると、なぜ編集作業が難航しているのか、その理由が気にはなる。

[所収] 集英社「戦争×文学」

集英社から刊行中のアンソロジー「戦争×文学」に小島信夫の2作品が収録される。2011年9月配本の第5巻に「城壁」、11月配本の第13巻に「小銃」。個人的に小島信夫の戦争モノとしては「墓碑銘」が真っ先に思い浮かぶのだが、今回のシリーズは中・短編小説を中心に構成するということらしいので、「墓碑銘」ではややボリュームがありすぎるのだろう。

:: 集英社「戦争×文学」オフィシャルサイト
:: コレクション戦争×文学:戦後世代が21世紀に問う 刊行始まる(毎日新聞)

[雑談] 抱擁家族の帯について

抱擁家族 / 小島信夫

「抱擁家族」単行本には帯が2パターン存在することはご存知だろうか。初版が刊行された1965年に同作品は第1回谷崎潤一郎賞を受賞しており、それ以降は受賞記念の帯に差し替えられた。

■受賞前
抱擁家族 / 小島信夫

■受賞後
抱擁家族 / 小島信夫

■背のコピー
抱擁家族 / 小島信夫

[続刊] 小島信夫批評集成その後

順調に続刊中。

▽漱石を読む
http://www.suiseisha.net/blog/?p=1504
▽私の作家遍歴I
http://www.suiseisha.net/blog/?p=1592
▽私の作家遍歴II
http://www.suiseisha.net/blog/?p=1642
▽私の作家遍歴III
http://www.suiseisha.net/blog/?p=1666
▽私の作家評伝
http://www.suiseisha.net/blog/?p=1684
▽現代文学の進退
http://www.suiseisha.net/blog/?p=1738

そして「小島信夫批評集成」について、YOMIURI ONLINEの記事も。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20101124-OYT8T00484.htm

[配布] 小島信夫批評集成 内容見本

小島信夫批評集成 内容見本
小島信夫批評集成 内容見本 予約ハガキ
水声社 2010年10月(無料配布)

文章に無駄がない。言うべきことだけが言われている。そして、それが打ち消される。回避とはそういうことだ。風が吹き抜けるようにして打ち消されるのだ。そんな小島信夫の評論/批評が今、若い世代の読者に理解されつつあるという。だが、その多くは絶版扱いである。ここに《小島信夫批評集成》として全八巻を編む所以である。(「刊行にあたって」より一部抜粋)

リブロ池袋本店のレジ横にて内容見本を捕獲。年輪を刻んだ渋い表情が印象的な表紙をめくると、編集委員である千石英世・中村邦生・山崎勉の連名で「刊行にあたって」という短い序文がある。さらにリーフレットを観音開きにすると、全8巻の配本月・予価・解説者が一目瞭然。しかし現時点で予価が明記されているのは第1回配本の「漱石を読む」(8,400円)と、第2回「私の作家遍歴I」&第3回「私の作家遍歴II」(共に6,300円)のみ。

そして、全国5万人のコジノブファンが気になるのは「全巻予約申込専用ハガキ」の存在であろう。全巻予約といっても、いわゆる「一括購入」ではなく、配本の都度、書店店頭で購入する形になるようだ(最寄り書店で番線印を押してもらい水声社に郵送)。つまり、「全巻予約ハガキ」というよりも「特典申請ハガキ」といった意味合いが強い。予約者特典は、直筆原稿の複製や単行本未収録のエッセイなどを収載した「小島信夫読本(仮題)」。予約締切は2010年12月末日、特典発送は2011年5月以降とのこと。

僕はこの内容見本を何度も見ては物思いに耽り、ため息混じりにただただ繰り返し眺めている。いったい何を逡巡することがあろう、ファンならば全巻予約して当然ではないか、という思いと、すでに既刊単行本(初版本)を何冊も所持しているのだから、本当の「全集」が刊行される「いつか」を待てばいい、という気持ちが絶え間なく相克している。

[復刊] 小島信夫批評集成

■《小島信夫批評集成》全8巻、10月下旬より刊行開始!(blog水声社)

小島信夫の復刊については、もはや水声社と講談社文芸文庫にしか期待できないという悲しい現状ではあるが、以前から一部ファンの間で噂になっていた批評集(全8巻)の刊行が正式に水声社より発表された。「全集」ではなく、あくまで「集成」である。

今月下旬の「漱石を読む」を皮切りに毎月1冊配本とのことだが、いかんせん定価が高く(各4,000円~8,000円)、月イチペースでは継続購入する自信がない。そこで年1冊ずつ自分の誕生日に少しずつ買い揃えていこうと計画している。となれば、なんとコンプリートまで8年かかるわけで、全巻揃える前に絶版になりそうな気がしないでもない。毎月は厳しいが、全巻購読するともらえるらしい「小島信夫読本」(非売品)も欲しい。悩むところだ。

第1巻~第3巻所収の作品は、オリジナル原本の入手が比較的容易である。第4巻~第6巻の「私の作家遍歴」も傑作評論として名高いものだが、個人的に今回の集成のハイライトは、昨今の古書市場においてプレミア化著しい「X氏との対話」(第7巻)と「漱石を読む」(第8巻)であると思っている。

※追記(10/19)
小島信夫の命日10月26日に書店搬入。部数は少ないそうだ。
http://www.suiseisha.net/blog/?p=1504

en-taxi No.30

en-taxi No.30
扶桑社 2010年夏号(No.30) [Amazon]

扶桑社「en-taxi」最新号購入。文庫付録の小島信夫「私の作家評伝」が目当てだが、まずは本誌に軽く目を通しておこうと思い、パラパラ頁をめくる。高橋源一郎の1984年回想記も興味深いが、日常の滑稽さと生命の物悲しさが横溢する杉田成道の小説(最終回)に強く惹かれた。

さて、付録である。付録ではあるが、小島信夫フリークにとってはこちらがメインである。名著「私の作家評伝」からの抜粋。カバーは無い。本誌の福田和也「The day is done ― 小島信夫」が解説の役割も果たしている。近年価格が高騰している小島信夫関連の古書市場でも、「私の作家評伝」はそれほど入手が難しい部類ではない。それにしても抄録されたラインナップは実に渋い。有島武郎、岩野泡鳴、宇野浩二、高浜虚子、近松秋江。渋すぎる。

私の作家評伝 [付録]

[翻訳] 小島信夫の翻訳/小島信夫を翻訳

小島信夫が翻訳を手がけたことでも知られるバーナード・マラマッドの短編集「レンブラントの帽子」が、昨年設立されたばかりの夏葉社という出版社から、5月上旬に出版される。1975年に集英社から刊行されていた同書の復刊らしい。税込1,680円と値段も手頃だ。楽しみに待ちたい。

※追記(4/27) bk1にて予約受付開始
http://www.bk1.jp/product/03270400

※追記(5/23) 毎日新聞朝刊に書評掲載
http://mainichi.jp/enta/book/hondana/news/20100523ddm015070019000c.html

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翻訳といえば、小島信夫の小説は現在どれだけ海外で読まれているのであろう。ふと気になり、Amazonの洋書カテゴリを覗いてみたところ、英語版とドイツ語版の「抱擁家族」を発見した。小島信夫特有のあのギクシャクした文体はどのように訳されているのだろうか。意外とスッキリ読めそうな気もするのだが。

Embracing Family / Nobuo Kojima
Embracing Family (英語) [Amazon]

Fremde Familie / Nobuo Kojima
Fremde Familie (ドイツ語) [Amazon]

[読了] 小島信夫 性-その深層と日常

小島信夫 性-その深層と日常 / 坂内正
近代文芸社 2009年4月(初版) [Amazon]

多年そば近くにあった著者が小島文学の核心に迫る!
中・長篇をはじめ殆どの作品の案内・評論。

出生→出征→出世まで、文学界に小島信夫という巨人が出現するまでの過程がコンパクトにまとめられている。小島信夫にまつわる膨大な出典の数々は坂内氏の文学研究ワークスの深さを示すものだ。また、カフカ研究の大家である氏ゆえ、小島作品におけるカフカからの影響を、わかりやすく具体的に指摘しており、とりわけ「島」について言及するパートは鮮烈の一言。

[入荷] BASARA BOOKS

吉祥寺・BASARA BOOKSに小島信夫大量入荷。売価不明。
写真を見るかぎり、「寓話」は復刻版(プロジェクトK)のようだ。

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